明治二十年代に赤絵描きを始められた池田家の赤絵工房四代目の池田久男さん、1951年生まれで今でも亡き三代目の「信頼される仕事はしていても、毎日が修業。絵の具の研究や技術の研鑽そして営業も怠り無く」の教えを守り、伝統文様から独自の世界まで、その卓越した技術と感性で様々な赤絵の世界を描き出す、職人の気質と長年培われた技を感じてしまうような作品が多いです。
池田家の建物も古く、400年前から続く有田の町には、歴史的な景観の町並みが現在でも残っていが、ほとんどは文政11年(1828年)文政の大火以降に建てられたことがわかっていますが、そんな内山の伝建地区の中で、文政の大火より前に建てられたと言われている一軒の住宅が池田家です。
池田家の隣には、有田の観光名所の一つである「有田の大イチョウ」がそびえ立っています。樹齢千年、国内有数の大きさととも言われるこの大木に守られて、池田家は火災による焼失をまぬがれたと伝えられているのです。
近年、地震や台風の影響で樹齢千年の大枝が母屋を直撃した事故があり、国の指定により大枝の落下を避けるように西方へ移動されています。